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『ナリワイをつくる』を読んで 。生活を犠牲にせず充実して生きるための働き方って?

 

こんにちは~、いのもちです。

新型コロナウイルス感染症の影響で、学校・会社・イベントなど予定されていた色んな活動が止まっていますね。

そんな中、今だからこそできることをしようと、私が所属しているサークルで新しい企画をしました。

地方創生をテーマに活動しているので、「地方を元気にする本」を選書し、感想をTwitterで紹介しています。

 

 

私は『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』伊藤洋志著を選んで読みました。

地方に限らず、こんな生き方をしたい!!と思ったのでご紹介します。

 

 

あそびと暮らしと仕事もが混ざりあった生き方

「ナリワイ」=(生業)を伊藤さんはこう表現しています。

 

 『ナリワイとは、生活の充実から仕事を生み出す手法である』

 

 ナリワイをつくるためには、生活が充実していること、つまり毎日ワクワク生きられることが大前提になっています。
その充実をできるだけ自分でつくり、つくるときに身につけた技やコツ、好きだからこそ自然と溜まっていく知見を、ちょっと工夫しながら他人と共有することで稼いでいくのがナリワイです。

 

例えば!
著者伊藤さんのナリワイに「床張り特訓講座」「全国床張り協会」の実践がありました。
ローコストで良い住環境を手に入れるために、空き家再生を自ら行ったのです。空き家再生を進めると同時に、建物を再利用しやすくする床張りの技術を学ぶ企画を立て、イベントとして収入源にもしてしまう。
しかも知識を得る場を共有すれば仲間ができて、困ったときに頼ることもできるという一石三鳥。
ほかにも「モンゴル武者修行ツアー」など、自分が好きだからこそよく知っている場所を舞台に、個人が設計するからこそできるゆったりと流動的で、人と人がしっかりと交流できるツアーも伊藤さんのナリワイになっています。

 

”働く”を見直してみる

生活を犠牲にしてやるのが仕事?

 この本では、現代の生き方・働き方への疑問がたくさん出てきます。特に代表的だと思ったのはこの文です。

 

『現代では、「生活を犠牲にしてやるのが仕事」という定義も半ば常識になってきた。仕事は、自分の時間と健康を切り売りして、マネーと交換するものであると。』

 

家賃・食費・光熱費などをまかない生活するために、ストレスでも我慢して仕事をし、仕事でたまったストレスをいやすために休日は眠りこけたり、マッサージ機を買ったり、、。

仕事でたまったストレスを解消するために、稼いだお金を使うのでしょうか?

仕事はライスワーク(Rice-Work)で、生きるために仕方なく犠牲にする時間なのでしょうか?

あそびと暮らしと仕事が混ざりあったナリワイとは真逆の生き方ですね。

ありたい姿に背くことへの違和感

私自身、生活の充実よりもお金が優先される働き方に違和感を感じていました。

例えば、赤ちゃんが生まれると、「もっと頑張って働いて、稼がなくちゃね」という言葉が親にかけられること。
心身が疲れ果てているのに生活を保つために会社を辞められないこと。
働いて稼いでいないと一人前として見られないこと。

自分のありたい姿に背いてまで、働かなくてはならないのか疑問に感じていた私は、自分の受けたい授業や参加したいイベントを優先して、必要最低限しかバイトをしてきませんでした。
しかし、なんでもお金によって価値をはかりがちな社会の中で私が「ありたい姿の充実」を軸に行動できたのは、親が資金的な援助をしてくれていたからです。
結局は働いてもらったお金で解決している。私のモヤモヤは解消されてはいませんでした。

ナリワイはそんな私に1つのヒントをくれました。

自分の生活の充実を大切にし、支出を減らして自給しながら生活する。
それはお金に頼りすぎない生活です。
何なら、お金がなくても生きられるような生活をつくっていくことです。
そんな働き方のヒントをこの本から見出すことができました。

 

 

私もナリワイで生きたい

 読んでいる間からワクワクして、私はナリワイで生きたいと強く思いました。
理由は2つ。自分の性分に合っていること、私の憧れの大人たちと著者伊藤さんとに共通点があることです。

 

飽きっぽさ・関心の広さ

 ナリワイで生きることが、私の性分に合っている感じがしたのです。
私は飽きっぽく、集中力が乏しいです。
一方で、関心が広く、色んなことに足を踏み入れてみるのが楽しいと感じます。
そして、暮らし方のこだわりが強いです。例えば、食べ物/飲み物が美味しいことが重要。
それから、環境や社会にとって良いものを使いたいというこだわりがあります。さらに、人と会うのがとても好きです。

ナリワイで生きるためには、生活を自分でつくることがキーポイントです。自分の頭と体を動かして、現場に合わせて調整しながらやっていくことになります。

例えば、住む場所を整えるならどうでしょうか。
空き家を直して住むとすれば、空き家探し、大家さんとの交渉、床の張替え、表札づくり、塀塗りなど、いろんな要素がそこに詰まっています。
仕事が単一でなく、現場の状況によって変化することは飽きっぽい私にはありがたいことです。
また、自分で判断できるから、間伐材を使ったり、人体に害のないペンキを使ったり、環境にやさしい電力を引いたりできます。
そして、空き家を直すのは自分ひとりでは難しいので、教えてもらったり、手伝ってもらったりと人とつながることができるはずです。
塀塗りなんかは、トムソーヤの物語みたいにみんなで順番にやったら楽しいかもしれないですよね。
人と会うのが好きな私には好都合です。

 

憧れの大人たち

 私にはありがたいことに、こんな風に生きたい!と思わせてくれる大人が何人もいます。
ワクワクする生き方をしている人が。その人たちの共通点は、

「自分のワクワクと仕事がつながっている」

「稼げなくてもなんか生きていける」

「人生楽しそう」

自分がワクワクする場やイベントをつくったり、農業や染め物といった自分がワクワクできることの成果物を売ったりしている人たちです。
場やイベントをつくるにしても、農業や染め物をするにしても自分なりのコツや発見がありますよね。
そういうものを、ちょっと工夫して、みんなにお裾分けすることで稼いでいます。

彼らはそれぞれが自分でつくる力を養っています。しかも、その過程でつながってお互いが持つつくる力で助け合っている場合が多いので、困ったときはお互い様で生きられるのです。

そうやって生きている彼らは、人生が充実していてとても楽しそうに見えます。
もちろん、苦労はありますが、自分の健康と時間を犠牲にするような苦労ではないからでしょう。
憧れの大人の一人が「僕たちの周りは、なんか稼げなくても食ってけるんだよね。しかも楽しいの」と言っていたのを覚えています。

ナリワイにその仕組みのヒントがありました。

私があこがれている大人たちは、まさに、ナリワイで生きている人たちなのです。

 

まとめ

本を読み終えて、私はナリワイで生きたいと思いました。

人にはそれぞれ、自分の性質やありたい姿に適した生き方があるはずだと私は考えています。
この記事を読んで、こんな生き方もありかも!と思って本を手に取っていただけると嬉しいです。

私自身も、伊藤さんのナリワイの作り方とは違った私に合うものがあるはずなので、参考にしながら探っていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

<書籍情報>

『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』

伊藤洋志

ちくま書房