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「ダイエットしたいのにできない」はなぜ起きる?

みなさんはやる気はあるのに取り掛かれないことってありますか?
はたまたやらなければいけないのに先延ばしにしてしまうことは?

「宿題やるのご飯食べたあとにしよう」
「朝ごはんを作るの面倒だから昼食と一緒にしちゃおう」
「この人とご飯行きたいと思ってはや一ヵ月・・・」
「新しいバイト始めたいんだけどなあ」

僕の日常はこんな先延ばしに満ち溢れています。
「明日やろうは馬鹿野郎」なんて言葉がありますが、この考え方からすれば僕は大馬鹿野郎になってしまいます。

きっとみなさんも面倒なことを先延ばしにしたり、本当はやりたいと思っているのに取り組めないことがあると思います。
面倒なことを先延ばしにしてしまうのは気合や根性が足りないからなのでしょうか?
やりたいと思っているのにやれないのは、心の底からやりたいと思っていないからなのでしょうか?

もしかしたらそれらも一つの理由なのかもしれません。ですが今回はもう少し違った視点で考えていこうと思います。
ポイントは意識と無意識です。

やりたいのに取り組めないのはなぜ?

突然ですがみなさんはベクトルというものをご存知ですか?
高校の数学で習った方は聞き覚えがあるかもしれません。

ベクトルというのは向きと大きさを持つ量です。
もっと簡単に言えば”どこ”に”どれくらい”向かっているかを表します。

このベクトルを使うと「やりたいのにやれない」ときの僕たちの心の状態をわかりやすく表すことができます。

今回は「ダイエットしたいと思っているけど始められないAさん」を例にして話を進めていきます。

Aさん自身は痩せたいと考えています。太りにくくなる食事について、ネットで調べたりダイエット本を買って読んだりしています。つまり、Aさんは自分はダイエットに対するやる気があると考えています。それを矢印にすると下のようになります。

(Aさん)————–►ダイエットしたい

しかし、実際には運動や食事制限などの具体的な行動には移せていないので周りの人からするとダイエットする気がないように見えています。それを矢印にすると下のようになります。

ダイエットしたくない◄————–(Aさん)

これらはどちらも間違っていないのですが、それぞれだけでは不十分です。ダイエットしたいと思っているのにダイエットできないAさんの心は下のようになっていると考えられます。

ダイエットしたくない◄- – – – – – – – – (Aさん)———►ダイエットしたい

実線の矢印はAさんの”意識”であり、点線の矢印はAさんの”無意識”です。
Aさんは間違いなくダイエットしたいと思っており、自身もその感情に気づいています。
しかしその「ダイエットしたい」という”意識”よりも、「ダイエットしたくない」という”無意識”の方が大きくなっている状態です。

この状態では確かにやりたいと思っているのにもかかわらず、取り掛かることができません。また、その理由が無意識なので本人はどうして取り掛かれないのかよくわかりません。

つまり、僕たちが何かを先延ばしにしてしまうのは「本当はやりたいことではないから」でも、「気合や根性が足りていない」からでもなかったのです。
やる気よりも大きな見えない矢印に引っ張られていただけだったのです。

「やりたくない」を眺める

ここまでは「やりたいのにやれない」理由を意識と無意識の観点から考えてきました。
では意識の「やりたい」よりも無意識の「やりたくない」が大きいときはどうすればいいのでしょうか?

主なアプローチは2つあると考えます。
1つ目は「やりたい」を「やりたくない」よりも大きくする。
2つ目は「やりたくない」を取り除く。

1つ目に関してはみなさん既に様々なことをされているのではないかと思います。
課題をやる時に好きな音楽を聴いてやる気を上げたり、家事をやりたくないときには終わったあとにご褒美を用意して頑張るなどです。

次に2つ目です。「やりたくない」を取り除くときに大切なのはやりたくない理由を言葉にすることです。
やりたくない理由が自分ではっきりとわかっているのであれば、それを解決する方法を考えることができます。しかし、「やりたくない」を無意識で感じている状態では理由がわからず、理由がわからなければ解決策を考えることができません。

そこでまずは言葉にしてみましょう。紙に書き出してもいいし、友達に聞いてもらってもいいかもしれません。
そのとき、「やるとしたら面倒に感じるのはどんなところだろう?」「不安に感じていることは何かあるだろうか?」と自分に色々な質問をしてみてください。
しっかりと時間を取って向き合うと意外なことが出てきたりもして、「自分ってこんなこと考えていたんだ」と気づけることがあると思います。

もちろん課題や家事くらいであればここまでする必要はありません。
しかし、本当はやりたいけれどできないということがあるのならば、無意識に向き合ってみる価値があるのではないでしょうか。

見えないものに目を向けて、争いを防ぐ

さて最後は僕たち自身ではなく僕たちの周りの人が「やりたいのにやれない」を抱えている場合の話です。
もしかすると僕たちは”無意識”に気づけないために、しなくてもよい争いをしていることがあるかもしれません。

ここでは不登校の生徒を例に話を進めていきます。

不登校の生徒Bさんは、不登校でありながらも話を聞くと「学校に行きたい」と言います。前夜から時間割を確認したり持ち物をそろえたりしているのです。

(Bさん)————–►学校に行きたい

しかし、実際には不登校なので親御さんや先生などからは学校に行くのを嫌がっていると考えられています。

学校に行きたくない◄————–(Bさん)

Bさん自身は右向きの矢印を意識し、周りの人は左向きの矢印を意識しています。この両者は互いに見ている力が違っています。そのためにBさんと家族や先生などの周りの人では意見が合わなくなり、しなくてもよい争いをすることになる場合があります。

また、不登校生徒が非行少年のような場合では、下の様な心理状態になっていることも多いです。

学校に行きたくない◄————————–(Cさん) – – – – – -►学校に行きたい

Cさん自身も気づいてはいない、学校に行きたいという弱い気持ちがあります。当然周りの人たちもCさんの気持ちに簡単に気づくことはできません。この場合、後になって「あの時学校に行っておけばよかった」という後悔が生じることがあります。

上の二つの例を見てわかるのは、目に見える状況だけで判断しないことが大切であるということです。
常日頃からあらゆることに対して見えていないものを考えるのは大変ですが、何か行き詰ったときや誰かとぶつかったときに考えてみると解決の糸口になるかもしれません。

やりたいことをやるために

ここまで”意識”と”無意識”という観点で「やりたいのにやれない」を考えてきました。

ある有名人の方がこんなことを仰っていました。
「モチベーションが湧かないことはやらなくていい。本当にやりたいことはモチベーションなんて考えなくても自然と動き出せるから。」

この考え方もきっと間違ってはいないのだと思います。しかしそれでは、ほとんど何もできなくなってしまいそうにも感じます。
僕はお金が欲しいと心の底から思っていますが、同時にあまり働きたくないとも思っています。
結果は愛せるけどプロセスを愛せないこともきっとあるのではないでしょうか。

また「やりたい」だけに溢れたことがあるのは良いことだし、それに取り組むのはきっと楽しいと思います。
ただ「やりたくない」が混ざっていることをやり遂げたときには、ただ楽しいだけとは違う達成感を味わえるのではないでしょうか。

そう考えると「やりたくない」という感情も自分にとってプラスになりうるのかもしれません。

みなさんも「やりたいのにやれない」ときには、一度自分の心と向き合ってみてください。
きっともやもやが整理されたり、道が開けることと思います!

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